日本最古の歌集である「万葉集」
全20巻にも及ぶ万葉集の中には、約4500の和歌が収録。収録された4500の中で最も古いのは、4世紀の仁徳天皇に関する歌。
少なくとも、130年にわたる人々の歌があり、8世紀半ばまでに編集されたと言われております。(正確な完成した年や編集した人物は判明していない・・)
万葉集の歌が詠まれた、7世紀の後半から8世紀の後半の時代の事を万葉時代とも言われております。
詠んだのは誰なの?
天皇や貴族、下級役人、兵士や農民まで、幅広い身分の人の歌が収録されている。
4-8世紀当時は、誰でも、日常的に歌を詠んでいたという事で、作者が不明な歌も多い。
和歌の前では身分は問わない、という見方もある。
有名どころでは、万葉集の編集者の1人と言われている、大伴家持(おおとものやかもち)が、最多の479首を収録。柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)が88首。
4500のうち、1750首が、恋人や親子間の想いを歌にしたモノで、「相聞」と呼ばれる。
どんなテーマの歌が多い?
万葉集を内容で区分すると、雑歌、相聞、挽歌の三つに大別される。
やはり、圧倒的に、恋愛に関する内容が多い。
①雑歌(ぞうか) 公の行事、宴などで詠まれたモノ。1557首収録。
②相聞(そうもん)
主に恋愛系で、恋人同士、親子関係での思いを詠ったモノ。1750首収録。
主に恋愛系で、恋人同士、親子関係での思いを詠ったモノ。1750首収録。
③挽歌(ばんか) 人の死に関連する歌。
元号「令和」の典拠になった万葉集
新元号である「令和」の発表の際、当時の菅官房長官は、万葉集が典拠であると発表。
出典:「万葉集」巻五、梅花歌三十二首并せて序
[引用部分]
初春令月、気淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香[書き下し文]
初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす。
初春令月、気淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香[書き下し文]
初春の令月にして、気淑く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披き、蘭は珮後の香を薫らす。
[読み]
しょしゅんのれいげつにして、きよくかぜやわらぎ、うめはきょうぜんのこをひらき、らんははいごのこうをかおらす。
万葉集 有名なベスト首
秋の野に 咲きたる花を指(および)折り かき数ふれば七種の花
【現代訳】
秋の野に咲いた花を指折り数えれば七種類の花…
【作者】山上憶良(やまのうえのおくら)
東の 野にかぎろいの立つ見えて かえりみすれば 月かたぶきぬ
【現代訳】
東の野には暁の光がさしていて、振り返ってみると月が傾いてしまっていた
【作者】柿本人麻呂(かきのもとの ひとまろ)
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